2013年4月12日金曜日

book_ニンジンから宇宙へ ~土の無毒化~

「ニンジンから宇宙へ」よみがえる母なる大地 赤峰勝人

今週末から仕事場の下見がてら、
友だち家族の家に遊びに行く。
もともと田舎暮らしを希望していた彼女は、
原発事故後、東京から安曇野に引越しをした。
乳飲み子がいる状態で、
安心して飲める水がなくなったときのこと、
今でも思い出す。
その辺の話も改めて聞いてみたいなー。

そんな彼女に5年くらい(!)借りっぱなしにしていた本、
返そうと思って読み返したら、とってもおもしろい!!!
はじめに読んだときはまだ畑を経験してなかったので、
おもしろいと思いつつ、リアリティがなかった。
でも畑を経験した今読み返してみると、
ものすごぉ~くガツンとくるのだ。

体を動かさずに得た知識と、
体験で得た知恵はまったく別物。
筆者である赤峰さんは、ほんと~の農家のおじさん。
小学校6年生から農業だけを仕事とし、
土や野菜と接し、そこから閃いたことから、
自分の頭で考え、本と人とから学び、できあがった知恵。
単なる情報ではなくて、血肉になったものを受け取れるのは、
ありがたいことだな、と思う。
ものすごく噛み砕かれていて、とてもわかりやすい。
そこにはイメージと心がともなっている。

死んだ土をどうやって蘇らせるか、という話も出てきて、
放射能のこともあるし、興味深いと思ったのだけど、
ざっくり言うと、
草が毒素を吸い上げ、それが発酵分解し、
土となることで、無毒化していく。
微生物も同じ働きをしていて、
毒素を吸収し、フンを出すことで無毒化する。
さらには虫が大量に発生する場合も同じで、
虫は有毒なものに反応し、それを食べ、フンを出し、
自分は子孫を残さずに死んでゆくことで、無毒化するらしい。
人間の消化酵素と同様、全体の3%彼らがいることで、土の健康が保たれる。
農薬を使うということは、そういう循環のない土を作ること。

またまたナウシカの話でなんですが、
汚れているのは土と空気であって、
人間が忌み嫌っている、植物が毒を作っているのではない、
というくだりがあったと思う。
あの草や虫たちは、毒素の中で生きられる耐性を持っているだけで、
それらを分解し無毒化している存在なんじゃないかしら?
そこまでの話はなかった気がするけど、どうだったっけな?

放射能の被害を受けた農場で、
無農薬の農場は収穫率が減ったけれど、
慣行農業の農場は収穫率がそのままだった話。
あれも、野菜や微生物や虫たちが、
そういった土を浄化する過程にあって、土が作られているから、
野菜の収穫まで至らないんじゃないかな、と思った。

そして、インドでアーユルヴェーダを受けてきた友だちが、
病気を治す(体質改善する)には、
まず全部出し切ること、その上でプラスすることみたい、
と言っていた通り、土も同じだった。
農薬漬けの土を蘇らせるには、
まず一年放っておいて風雨にさらし、草に毒素を抜いてもらう。
その後で、たい肥と生きた土を撒き、
さらに草を育て農薬を抜く、という方法らしい。

全てのものが循環している、ということを、
ものすごく具体的に示している、この本。
これを読みながら思ったことは、
うんこが水にぴゅーっと流れてどっかに消えていくのが当たり前、
と感じている自分は、まだまだだな、ということ。

最近いつになく真面目すぎる!わたしってば!
ということで、まだまだ学びは続くのです…。

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